BASELINE OBSERVATION
初期設計・基準観測
定点観測は、最初の一回でほぼ決まる。
何を固定し、何を比べ、何を証拠として残すのか。セオンは、最初に「変化を判断できる基準」をつくってから、現場を追い始めます。
同じ店舗を、同じ時期に、同じように見たつもりでも、写真の位置が違う。確認項目が増減する。店舗タイプが混ざる。前回と今回で調査条件が違う。これでは、数字が並んでも「本当に変わったのか」を判断しにくくなります。
現場売上機会 定点観測では、最初に「何を判断するための観測か」を決め、固定して追う接点、入れ替えて見るテーマ、証拠の残し方、店舗分類、比較軸を設計します。そのうえで初回の現場状態を取得し、今後の改善・劣化・競合変化を読むための基準状態をつくります。
初期設計・基準観測とは
正式定義
初期設計・基準観測とは、現場の変化を継続的に判断するために、観測目的、対象、接点、項目、証拠条件、店舗分類、比較軸、観測頻度を設計し、同じ条件で比較する起点となる現場状態を取得する工程です。
二つの役割
| 役割 | 何をするか | 残るもの |
|---|---|---|
| 初期設計 | 何を追うか、どう証拠を残すか、何と比べるかを決める。 | 観測設計書、接点マップ、写真基準、比較軸、6サイン対応表。 |
| 基準観測 | 設計した条件で初回の現場状態を取得し、比較の原点をつくる。 | 基準観測データ、写真、店舗タイプ別傾向、重点サイン、次回観測設計。 |
「基準」と「目標」は分ける
たとえば初回観測で「重点販促が顧客導線から見えにくい店舗が多い」という結果が出た場合、それは現時点の基準状態です。「見えにくい店舗を何%以下にするか」という改善目標は、施策方針や業務条件を踏まえて別途設定します。基準観測の数字を、そのまま合格・不合格の境界にはしません。
なぜ最初の設計が重要なのか
定点観測で最も避けたいのは、回数を重ねるほど比較条件がずれていくことです。毎回の調査自体は丁寧でも、設計がそろっていなければ、「変化」なのか「測り方の違い」なのか分からなくなります。
| 起こりやすいズレ | 何が分からなくなるか | 初期設計で決めること |
|---|---|---|
| 写真の角度・距離が毎回違う | POPが見えやすくなったのか、撮り方が変わったのか分からない。 | 指定カット、立ち位置、向き、撮影範囲。 |
| 店舗構成が毎回違う | 全体平均の変化が、店舗入替の影響か現場変化か分からない。 | 固定店舗、ローテーション店舗、店舗分類。 |
| 設問が少しずつ増える | 前年との単純比較ができない。 | 固定観測項目とテーマ観測項目を分離。 |
| 時間帯・曜日がばらつく | 混雑、スタッフ数、接客状況の差を誤読する。 | 観測可能な曜日・時間帯の条件。 |
| コメント中心で証拠が弱い | 調査員の表現差なのか現場差なのか分からない。 | 選択肢、写真、事実コメントの記録ルール。 |
| 全店平均だけを見る | 一部店舗タイプの改善・劣化が埋もれる。 | 店舗タイプ、商圏、規模等の比較セグメント。 |
全体像|初期設計から基準確定まで
1. 判断目的を決める:何が変わったら、会社として何を判断するのかを明確にする。
2. 対象と店舗分類を決める:全店、固定店、ローテーション店、店舗タイプ、商圏等を整理する。
3. 顧客接点を分解する:入口、売場、受付、接客、セルフ端末、購入後等、観測する接点を整理する。
4. 観測項目を3種類に分ける:固定観測、テーマ観測、機動観測を設計する。
5. 証拠条件を決める:写真、数値、選択式、事実コメント、体験記録など、何を残すかを固定する。
6. 6つの売上機会サインへ接続する:項目を「見えない・伝わらない・動けない・聞けない・選ばれない・古く見える」の共通言語へ変換する。
7. 基準観測を実施する:初回の現場状態を取得し、店舗差・タイプ差・例外を確認する。
8. 観測基準を確定する:初回結果を踏まえ、固定継続/入替/追加確認/廃止を決め、次回観測へ接続する。
STEP 1|何を判断するために追うのか
最初に決めるのは、設問ではありません。「この観測結果が変わったとき、誰が何を判断するのか」です。判断が曖昧なまま項目を増やすと、毎回大量のデータが届いても、何を変えるべきか決めにくくなります。
| 判断テーマ | 観測で確かめたいこと | 主な利用部門 |
|---|---|---|
| 本部施策の定着 | 指示が現場へ届き、実行され、顧客接点として機能し続けているか。 | 店舗運営/営業企画 |
| 販促の鮮度 | 重点商品・キャンペーンが見え、伝わり、古くなっていないか。 | 販促/マーケティング |
| セルフ化・省人化 | 顧客が迷わず動けるか、必要な有人支援へつながれるか。 | DX/店舗運営/CX |
| 店舗差の縮小 | 同じ施策でも弱い店舗タイプ・接点が繰り返されていないか。 | 運営/教育/経営企画 |
| 競合変化 | 競合の見え方・訴求・サービス変化が、自社との差として広がっていないか。 | マーケ/営業企画 |
| ブランド体験 | 店舗表現・接客・案内の一貫性が劣化・分散していないか。 | ブランド/CX |
問いの粒度
「店舗を良くしたい」では広すぎます。「本部が重点化した新会員施策が、入口から説明、申込まで顧客にとって迷いなくつながっている状態が、四半期ごとに定着しているか」のように、判断と観測対象をつなげます。
STEP 2|対象店舗と比較単位を決める
全店舗を一つの平均で見るだけでは、現場の意味を取り違えることがあります。初期設計では、観測対象を選ぶだけでなく、「何と何を同じグループとして比較するか」を決めます。
主な店舗分類の例
- 店舗規模:大型/標準/小型
- 立地:駅前/郊外/商業施設内/ロードサイド
- 商圏:都市/地方/観光/住宅地
- 運営形態:直営/FC/委託
- 設備・サービス:有人中心/セルフ中心/ハイブリッド
- 売上・利用状況:好調/標準/低調(利用可能な既存データがある場合)
- 施策条件:新施策導入店/未導入店/先行導入店
- 競合環境:競合密集/競合少数/特殊商圏
固定店舗とローテーション店舗
| 区分 | 役割 | 使い方 |
|---|---|---|
| 固定観測店舗 | 同じ現場を時系列で追う。 | 主要店舗、代表タイプ、重要施策店などを毎回観測。 |
| ローテーション店舗 | 母集団の広がりと未知の変化を確認する。 | 地域・タイプを入れ替えながら観測。 |
| 機動観測店舗 | 特定事象が起きた時だけ追加する。 | 売上急変、競合出店、重大施策、クレーム増加等。 |
STEP 3|顧客接点を「観測マップ」にする
現場を店舗単位で一括評価すると、どこで顧客体験が弱まっているかが見えにくくなります。初期設計では、顧客が店舗・サービスを利用する流れに沿って接点を分解します。
| 接点 | 観測例 | 関連しやすいサイン |
|---|---|---|
| 店舗前・外観 | 看板、のぼり、入口の見つけやすさ、重点訴求。 | 見えない/古く見える |
| 入口 | キャンペーン、受付、入店後の次行動。 | 見えない/動けない |
| 売場・待合 | 重点商品、価格、案内、比較のしやすさ。 | 伝わらない/選ばれない |
| 受付・注文 | 順番、操作、受付方法、必要情報。 | 動けない/聞けない |
| 接客・相談 | 質問のしやすさ、説明、提案、追加支援。 | 聞けない/伝わらない/選ばれない |
| セルフ端末・アプリ | 操作、エラー時の支援、有人接点への接続。 | 動けない/聞けない |
| 購入・申込後 | 次回利用、会員化、フォロー、再来店導線。 | 伝わらない/動けない |
業態によって接点は異なります。すべてを観測するのではなく、今回の判断テーマに関係する接点を固定観測へ入れ、その他はテーマ観測として必要時に追加します。
STEP 4|固定・テーマ・機動の3種類に分ける
定点観測では、毎回すべてを同じように見る必要はありません。むしろ、変えないものと入れ替えるものを分けることで、比較可能性と機動性を両立させます。
| 観測区分 | 役割 | 例 | 更新ルール |
|---|---|---|---|
| 固定観測 | 年間を通じた比較軸を残す。 | 入口、重点案内、基本接客、清潔感、セルフ導線等。 | 原則固定。変更時は理由と時点を記録。 |
| テーマ観測 | その時期に重要な施策・課題を深掘りする。 | 新商品、春キャンペーン、会員施策、採用施策等。 | 四半期・半期で入替可能。 |
| 機動観測 | 予定外の変化を確認する。 | 競合新店、価格改定、クレーム増、AI導入直後等。 | 条件発生時に追加。 |
STEP 5|観測項目を6サインへ接続する
「POP」「接客」「清掃」といった手段別の項目だけでは、部署をまたいだ共通理解がつくりにくくなります。セオンでは、観測項目を6つの売上機会サインへ接続し、異なる接点でも顧客側の状態として比較できるようにします。
| 観測項目の例 | 直接観測する事実 | 6サインへの接続 |
|---|---|---|
| 入口キャンペーン | 道路・通路から見えるか、他掲示に埋もれていないか。 | 見えない |
| 料金・商品比較表 | 違い、対象者、価格差の理由が読み取れるか。 | 伝わらない/選ばれない |
| セルフ端末 | 開始方法、次操作、エラー時の支援が分かるか。 | 動けない/聞けない |
| 接客待ち | 質問先、声掛け、相談可能な状態があるか。 | 聞けない |
| 競合との差 | 自社の選ぶ理由がその場で理解できるか。 | 選ばれない |
| 販促物・店頭表現 | 更新日、色あせ、破損、古い情報がないか。 | 古く見える |
一項目を一サインに固定しない
同じ現場事実でも、複数サインに関係する場合があります。たとえば情報量の多すぎる料金表は、「見えない」「伝わらない」「選ばれない」が重なる可能性があります。初期設計では主サインと補助サインを定め、重複を無理に消しません。
STEP 6|証拠条件を固定する
定点比較で最も大切なのは、評価者の感想ではなく、次回も同じ意味で確認できる証拠を残すことです。初期設計では、項目ごとに「何を見たら判定するのか」「何を写真に残すのか」を定めます。
| 証拠の種類 | 残す内容 | 設計上の注意 |
|---|---|---|
| 写真 | 指定位置・距離・向き・範囲で撮影。 | 「きれいに撮る」のではなく、顧客が見る条件を再現する。 |
| 選択式チェック | 有無、状態、段階、該当・非該当。 | 選択肢の意味を定義し、自由解釈を減らす。 |
| 数値 | 待ち時間、掲示数、フェイス数、スタッフ数等。 | 数え方・開始終了条件を固定する。 |
| 事実コメント | 誰が何をした/何が表示された等。 | 「良い・悪い」より事実を記録する。 |
| 体験記録 | 迷った場面、質問した内容、説明された内容。 | 調査員の感情と観測事実を分ける。 |
| 既存データ | 売上、利用、申込、リピート、CS等。 | 現場データとの時点・店舗単位を合わせて照合する。 |
写真基準の例
- 店舗外観:正面、来店方向、道路側など指定カットを固定する。
- 入口:入店直前の顧客視点で、入口全体と重点訴求の関係を残す。
- 販促物:全体配置と内容判読の両方が分かるカットを分ける。
- セルフ端末:開始画面、案内、エラー時の周辺支援が分かる範囲を残す。
- 競合比較:可能な範囲で同じ距離・同じ接点・近い時間条件をそろえる。
今ある調査票を、そのまま繰り返す必要はありません。まずは「何を変化として追うべきか」から整理します。
基準観測を相談するSTEP 7|比較軸を先に決める
基準観測の価値は、初回の点数を出すことではなく、「次回、何と比べるか」が決まっていることにあります。初期設計では、最低でも次の比較軸を整理します。
| 比較軸 | 見ること | 判断例 |
|---|---|---|
| 前回差 | 同じ店舗・同じ接点がどう変わったか。 | 改善/劣化/変化なし/新規サイン。 |
| 店舗差 | 同じ時点で店舗ごとにどの程度差があるか。 | 重点支援店舗/横展開候補。 |
| 店舗タイプ差 | 立地・規模・運営形態等で反復パターンがあるか。 | 一律施策かタイプ別施策か。 |
| 競合差 | 同条件で見た競合との違いが広がったか縮まったか。 | 追随/差別化/静観。 |
| 施策前後 | 特定の改善・キャンペーン前後で現場が変わったか。 | 継続/修正/再実装。 |
| 既存KPI照合 | 現場変化と売上・利用等のデータが同じ方向か。 | 追加検証/仮説修正。 |
平均だけで終わらせない
全店平均が改善していても、一部の店舗タイプだけ悪化していることがあります。基準観測では平均値だけでなく、分布、店舗タイプ、例外店舗、共通パターンを残し、次回比較の単位を明確にします。
STEP 8|基準観測を実施する
設計が固まったら、初回の現場観測を行います。ただし、この時点でも「完成した調査票を一度回すだけ」ではありません。基準観測は、現場状態と同時に、観測設計そのものが機能するかを確認する工程です。
基準観測で確認する5点
1. 観測可能性:調査員が現場で無理なく同じ条件を確認できるか。
2. 証拠性:判定の根拠が写真・数値・事実コメント等で残せるか。
3. 差異性:店舗・タイプ・接点の違いを捉えられる項目になっているか。
4. 判断接続:結果が本部の判断につながる粒度になっているか。
5. 継続性:次回も同じ意味で再観測できるか。
初回で見つかる「設計上の問題」も成果
「この写真条件では比較しにくい」「この項目はほぼ全店同じで判断価値が低い」「店舗タイプによって該当・非該当が分かれる」「このサインは追加確認しないと意味が決まらない」といった発見も、基準観測の重要な成果です。
品質管理|比較できるデータにそろえる
定点観測では、1回ごとの調査品質だけでなく、回をまたいで同じ意味のデータになっているかを管理します。基準観測時には、その後の品質管理に使うルールも確定します。
| 品質管理項目 | 基準観測で決めること |
|---|---|
| 調査員説明 | 目的、観測事実、禁止表現、写真条件、例外時の対応。 |
| 一次チェック | 未入力、写真不足、矛盾、条件外、事実と感想の混在を確認。 |
| 二次チェック | 店舗間の判定ブレ、証拠と判定の整合、例外店舗を確認。 |
| 差分チェック | 前回と大きく変わった項目は、現場変化か条件差かを確認。 |
| 写真QA | 指定カット、距離、方向、判読性、不要な個人情報等を確認。 |
| マスター管理 | 項目・選択肢・サイン対応・店舗分類・改訂履歴を一元管理。 |
基準観測後に「観測基準」を確定する
基準観測が終わったら、その結果をそのまま年間フォーマットに固定するのではありません。初回データを見ながら、何を残し、何を変えるかを決めます。
| 判定 | 意味 | 次回への扱い |
|---|---|---|
| 固定継続 | 年間で比較価値が高い。 | 同じ条件で継続観測。 |
| 条件修正 | 意味はあるが、撮影・選択肢・対象条件の調整が必要。 | 条件を修正し、改訂日を記録。 |
| テーマ化 | 重要だが毎回見る必要はない。 | 特定四半期・施策時のみ観測。 |
| 追加深掘り | サインは見えるが原因仮説が弱い。 | ヒアリング、競合、接客体験、既存KPI等を追加。 |
| 廃止 | ほぼ差がなく判断にも使わない。 | 固定観測から外す。 |
基準状態として残すもの
- 店舗・接点別の初回観測データ
- 指定写真と写真基準
- 6サインの初期発生状況
- 店舗タイプ別の傾向
- 重点的に追う接点・サイン
- 例外店舗と例外理由
- 次回の固定観測項目
- 次回のテーマ観測候補
- 観測マスターのVersion 1.0
「基準値」はどうつくるのか
基準観測では数値が出ますが、すべてを直ちに「目標」「合格ライン」「業界平均」にしません。データの意味を分けて扱います。
| 数値の種類 | 意味 | 扱い |
|---|---|---|
| 基準状態 | 初回時点で実際に観測された状態。 | 次回比較の起点として使用。 |
| 業務基準 | 企業が既に持つルール・必須条件。 | 遵守・未遵守として別管理可能。 |
| 改善目標 | 施策として目指す状態。 | 現場条件・実行可能性を踏まえて設定。 |
| 参考レンジ | 複数回・複数店舗の蓄積から見える通常範囲。 | 十分なデータ蓄積後に活用。 |
| ベンチマーク | 同条件で比較可能な他群・競合・業界等の参照値。 | 比較条件がそろう場合のみ使用。 |
標準成果物
| 成果物 | 内容 |
|---|---|
| 初期観測設計書 | 判断目的、対象、接点、固定/テーマ/機動観測、頻度、比較軸。 |
| 観測項目マスター | 項目定義、選択肢、証拠条件、該当条件、改訂履歴。 |
| 写真基準ガイド | 指定カット、立ち位置、距離、方向、撮影時の注意。 |
| 6サイン対応表 | 観測項目と6つの売上機会サインの接続。 |
| 店舗分類マスター | 店舗タイプ、立地、規模、運営形態等の比較単位。 |
| 基準観測レポート | 店舗別・全体傾向、写真、主要事実、初回サイン状況。 |
| タイプ別比較 | 店舗タイプ・地域・施策条件等の差。 |
| 重点観測リスト | 年間で固定して追う接点・サイン・項目。 |
| 次回観測設計 | 残す項目、修正項目、テーマ観測、追加確認、観測時期。 |
経営・本部向けには、全項目ではなく「何を今後追うべきか」を要約する
基準観測の納品は、現場データを大量に渡すだけではありません。年間で追うべき重点テーマ、店舗タイプ差、次回の判断ポイントを本部向けにまとめます。
具体例|50店舗のセルフ化後を基準観測する
想定課題
多店舗サービス企業がセルフ受付を導入した。導入自体は完了しているが、店舗によって顧客の迷い方やスタッフ支援に差がある。今後、四半期ごとに改善状況を追いたい。
初期設計
| 設計項目 | 内容 |
|---|---|
| 判断目的 | セルフ化による迷いを減らし、必要な有人支援へつながる状態が定着しているか判断する。 |
| 対象 | 50店舗。立地、規模、セルフ比率で5タイプに分類。 |
| 固定観測 | 入口案内、受付方法、端末開始画面、迷い時の支援、スタッフ接点。 |
| テーマ観測 | 新UI、新会員施策、繁忙期の案内。 |
| 証拠 | 指定写真、操作体験、待ち時間、案内内容、事実コメント。 |
| 6サイン | 見えない/動けない/聞けないを重点。必要に応じて伝わらないを補助。 |
| 比較軸 | 前回差、店舗タイプ差、改善前後、利用率等の既存データ照合。 |
基準観測で分かった架空例
- 入口案内はほぼ全店にあるが、小型店では端末位置が入口から認識しにくい。
- 端末操作自体より、エラー後に誰へ聞くか分からない「聞けない」が複数店舗で発生。
- スタッフの声掛けは店舗タイプによって差が大きい。
- 写真基準上、端末だけを撮ると周辺支援が比較できないため、次回から周辺含む指定カットへ修正。
次回へ残す基準
端末位置、入口案内、エラー時支援、スタッフ接点を固定観測。UI変更はテーマ観測。小型店を重点比較グループとして四半期ごとに追う。
単発調査との違い
| 現場リサーチの単発調査 | 初期設計・基準観測 |
|---|---|
| 今回の問いに必要な事実を取得し、今回の判断に答える。 | 今後も変化を判断できるよう、観測条件と比較単位まで設計する。 |
| 成果物は今回の分析・報告が中心。 | 観測マスター、写真基準、店舗分類、次回設計が標準成果物に含まれる。 |
| 前回比較を設計することも可能。 | 前回差・店舗差・タイプ差・競合差を年間運用の前提として組む。 |
| 必要な時点で完結できる。 | 初回は年間観測の起点。基準確定後に継続観測へ進む。 |
| 項目を案件ごとに大きく変えられる。 | 固定項目の変更は比較への影響を管理し、改訂履歴を残す。 |
どちらが上位ということではありません。今回だけ明らかにしたいテーマなら現場リサーチ、変化そのものを継続判断したいなら初期設計・基準観測から始めます。
標準仕様・スケジュール
| 項目 | 推奨標準仕様 |
|---|---|
| 対象企業 | 自社店舗・拠点を持つ小売・サービス・多拠点企業。 |
| 推奨規模 | 30~50店舗程度を基準。10店舗程度から設計可能だが、店舗差・タイプ差を判断できる構成を優先。 |
| 初期工程 | ヒアリング、設計、マスター作成、調査員準備、基準観測、品質確認、基準確定。 |
| 初期期間 | 概ね4~6週間を目安。店舗数・地域・接客体験・競合観測の有無で変動。 |
| 継続頻度 | 四半期を標準。変化が速い施策は月次、安定項目は半期も設計可能。 |
| 契約形態 | 原則として年間定点観測の初期フェーズとして実施。 |
| 標準価格 | 年間定点観測として年間600万円(税別)~。初期設計は年間商品の初期フェーズとして実施。 |
標準スケジュール例
| 週 | 主な作業 |
|---|---|
| Week 1 | 目的・既存データ・店舗構成確認、判断テーマ設定。 |
| Week 2 | 接点マップ、固定/テーマ/機動観測、証拠条件、店舗分類を設計。 |
| Week 3 | 調査票・写真基準・マスター確定、調査員準備。 |
| Week 4~5 | 基準観測、一次・二次品質確認、必要な補完。 |
| Week 6 | 基準レポート、観測基準の修正・確定、次回観測設計。 |
30~50店舗・四半期観測を基準に、固定観測とテーマ観測の組み合わせをご提案します。
自社の場合の設計を相談する追加モジュール
基準観測時に、すべての企業へ同じ追加調査を入れる必要はありません。判断テーマに応じて次のモジュールを組み合わせます。
| モジュール | 追加する内容 | 基準観測での役割 |
|---|---|---|
| 競合基準観測 | 指定競合を同条件で観測。 | 自社の基準だけでなく競合差の起点をつくる。 |
| 接客・相談体験 | 質問、相談、提案、追加案内等を顧客として確認。 | 「聞けない・伝わらない・選ばれない」の基準を補強。 |
| 販促テーマ観測 | 重点キャンペーン・商品を追加。 | 施策前後の比較起点をつくる。 |
| AI・セルフ体験 | 端末、アプリ、セルフ導線を実利用。 | 迷い・支援接点の基準をつくる。 |
| 既存KPI照合 | 売上、利用、申込、リピート等を店舗単位で整理。 | 現場サインとの初期対応関係を確認する。 |
| 本部ヒアリング | 施策意図、運用条件、例外ルールを確認。 | 現場だけでは決められない構造仮説を補強。 |
よくある失敗と、セオンの設計原則
| よくある失敗 | セオンの設計原則 |
|---|---|
| 最初から100項目以上を固定する | 年間で判断に使う固定項目を絞り、季節・施策はテーマ観測へ分ける。 |
| 初回平均をそのまま合格基準にする | 基準状態と目標値を分離する。 |
| 全店を同じ前提で比較する | 店舗タイプ・立地・運営条件を分類する。 |
| 写真だけ残して判定定義がない | 何を見てどう判定するかを項目ごとに定義する。 |
| 毎回少しずつ項目を変える | 固定項目の改訂はVersionと変更理由を残す。 |
| 点数だけで優先順位を決める | 発生範囲、反復性、店舗タイプ、競合差、他データとの一致を見る。 |
| 初回調査で原因まで断定する | 観測事実と構造仮説を分け、必要なら追加確認する。 |
| 年1回調査を単に4回へ増やす | 何を固定し、何を入れ替え、何が変われば判断するかを年間設計する。 |
FAQ
Q1 最初から全店舗を観測する必要がありますか。
必ずしも必要ありません。店舗タイプ、地域、重要度を整理し、固定店舗とローテーション店舗を組み合わせる設計も可能です。
Q2 基準観測は何店舗からできますか。
10店舗程度から設計可能ですが、店舗差・タイプ差を読む価値が出る構成を優先します。標準提案は30~50店舗程度です。
Q3 基準観測の平均値が、そのまま目標になりますか。
なりません。初回平均は比較の起点です。改善目標は企業の方針、顧客体験、業務条件を踏まえて別途設定します。
Q4 既存の覆面調査項目をそのまま使えますか。
活用できます。ただし、年間で固定して追う価値があるか、証拠条件がそろっているか、店舗タイプ差を読めるかを確認し、必要に応じて再設計します。
Q5 毎回同じ店舗・同じ項目でないと比較できませんか。
固定比較の中心はそろえますが、全てを同じにする必要はありません。固定観測、テーマ観測、機動観測を分けます。
Q6 6つの売上機会サインは必ず全部使いますか。
全体共通言語として6つを持ちますが、案件ごとに重点サインは異なります。必要な接点・項目から接続します。
Q7 売上データは必要ですか。
必須ではありません。ただし店舗単位・時点単位で照合可能な売上、利用、申込等があれば、現場サインの意味を追加検証する材料になります。
Q8 調査員の主観が入らないようにできますか。
完全にゼロにはできませんが、写真、選択式、数値、事実コメント、体験記録を分け、主観的評価だけで判定しない設計にします。
Q9 途中で観測項目を変えたくなった場合はどうしますか。
変更できます。ただし固定項目の変更は比較性に影響するため、Version、変更理由、適用開始時点を記録します。
Q10 初期設計・基準観測だけ依頼できますか。
個別に検討可能ですが、本サービスは継続して変化を判断することに価値があるため、原則として年間定点観測の初期フェーズとして提案します。
Q11 初回で悪い店舗ランキングを出せますか。
必要な集計はできますが、ランキングを主目的にはしません。店舗タイプ、接点、サイン、証拠を見て、どこにどの変化があるかを判断します。
Q12 基準観測後は何をしますか。
固定観測項目、テーマ観測、重点店舗、次回時期を確定し、月次・四半期・半期等の継続定点観測へ進みます。
現場知インテリジェンス企業